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Agri Chapel 2016

フラクタルなシステムを持つ木造の礼拝堂。空間/構造/装飾が一体化した建築を目指した。

敷地は式見町にある、長崎市が所有する宿泊研修施設の前庭。現在、施主である民間企業が施設運営を担っているが、将来的に公共の資産になる可能性を踏まえ、農業公園「あぐりの丘」や森林、海に囲まれた自然豊かな周辺環境とシームレスに接続する空間の在り方を探った。また長崎には「大浦天主堂」という市民に馴染みのある木造ゴシック様式の教会がある。そうした長崎の歴史に接続できるように、木を主要構造としたゴシックのように装飾性のある空間をもう一つのテーマとした。

木架構による結晶体のような構造体を気積内に充填させる。樹状のユニットを層ごとに重ね、上に向かって√2の比率で縮小(寸法)と増加(数)を繰り返す通柱の無い架構システムをつくった。高さにおける「三層構成」、平面における「身廊と側廊」、層間に生じる「45度回転」などゴシックの礼拝堂に見られる特徴を内包する空間となっている。立体的な幾何学は、ペンディンティブドームを小屋型に置き換えたものになっており、教会史における架構形式が重なり合っている。

木架構の「幹や枝」、形式性を持った「吹き抜け」、丸鋼ブレースが描く「グリッド状の水平線」が同時に現れ、重ね合わさることで、森の中にいるような奥行のある視覚的体験を生み出す。木々に囲まれた周辺環境と、木造ゴシック教会という都市の歴史、この2つのコンテクストを同時に感じられる’自然の空間’をつくりだした。

Site: Nagasaki
Program: Chapel
Site Area: 17,927.55 ㎡
Building Area: 125.27 ㎡
Total Area: 125.27 ㎡
Structure: Wood
Floor: One Story
Architect: Yu Momoeda, Takayo Fuchigami*, Yuko Abe
(YU Momoeda Architects)*former staff
Structural Engineer : Mika Araki
(Jun Sato Structural Engineers)
HVAC Engineer : Ittetsu Koga, Masaru Murayama
(Koga Sekkeishitsu)
Completion : Oct. 2016
Construction : Yushin Construction
Photo : Yousuke Harigane